
ご挨拶
香翠座のホームページをご覧頂きありがとうございます。香水座の座長、円座デコ芝居保存会の会長を務めさせて頂いていおります山﨑 謙治と申します。
私がこの高松市円座町で活動する「人形浄瑠璃 香翠座」との出会いは、昭和54年ごろに地域の75才位のおじいさんから「この地区にこんな人形がある」と教えられことがきっかけでした。私自身も「長い歴史があり文化価値としても高いこの人形は残していかなければいけない」と強い想いを持ったのですが当時は非常に多忙で機会と時間がなく、実際の活動までには至りませんでした。
そして平成元年に香川県県民ホールが建設され、当時の香翠座の会長より「ホールのこけら落としに出演が決定されているので手伝って欲しい」とのお声がけを頂き、それから本格的な香翠座としての活動が始まりました。そのころの香翠座は座員は私を含めてわずか3名のみ。歴史ある香翠座は数ある演目がありますが小人数では限られた演目しか出来ません。


それでも様々なお芝居の会場に積極的に出演しつつも人形浄瑠璃を自分なりに研究を積み重ね、心を込めた演目を披露しつづけたところ少しづつ座員も増えていきました。今では座員は男女を問わず年齢も幅広く、海外からの若者の座員も在籍しており、経験豊富で優れた技量を持つ語りの太夫と三味線も在籍して香川県無形民俗文化財に指定して頂くことにもなりました。


では最初に人形遣いからご紹介します。
基本的に1体の人形を3人で扱います。主遣い(おもづかい)が人形の頭と右手を使い人形全体の動きを司ります。左遣いは人形の左手を使い小道具(手紙やら刀など)の出し入れを担当し、主遣いの頭の動きを見て右を見て左を見ると左手を出します。足遣いは男役の人形は足を、女役の人形は足がないので着物のフキを持って演技を行います。また主遣いは自分の足を使って人形の足の動きを伝え、足遣いは足踏みをして足音を出すこともあります。人形遣いは1つの人形を3人が一体となって演技を行います。


続いて語り手の太夫をご紹介します。
室町時代に浄瑠璃(語り物)では義太夫節が生まれました。浄瑠璃の演目では義太夫節の言い回しだけで物語を語っていくのですが、観客にとってはこの義太夫節がかなり難解で、その物語の内容を解り易く解説または説明する為に人形が使われ始めたとの事です。人形浄瑠璃は物語や人形のセリフを太夫が語ります。基本的には太夫は1人で男役、女役、子供役の人形のセリフと舞台の情景を語りますが、演目によっては複数名で語り分けて演目を行うこともあります。


最後に鳴り物の三味線をご紹介します。
三味線は一般的な細棹(ほそざお)三味線でなく、人形浄瑠璃では太棹(ふとざお)三味線を使います。太棹三味線は胴が厚くて重く、力強く迫力のある音が特徴で主に義太夫、津軽三味線、浪曲などのジャンルで使われます。また演目によっては琴、鼓、拍子木、鐘などの和楽器を使用します。義太夫節において三味線は語りの伴奏ではありません。三味線の音で物語の「心」を表現しています。


実は香翆座が暫くの活動中止から復帰した際、太夫、三味線は居ませんでした。テープレコーダーで公演していたこともあり、それまでは県の有形文化財のみでその後、太夫、三味線がそろって無形文化財をいただいた経緯があります。人形遣いは3人が一体となって人形を遣うとお話しましたが、人形浄瑠璃では人形遣い、太夫、三味線それぞれが一体となって演目を上演していく総合芸術なのです。